Network Working Group B. Rajagopalan Request for Comments: 3251 Tellium, Inc. Category: Informational 1 April 2002 電気オーバーIP Electricity over IP このメモの位置づけ このメモはインターネットコミュニティに情報を提供する。これは、いか なる種類のインターネット標準も規定しない。このメモの配布は制限され ない。 著作権の表示 Copyright (C) The Internet Society (2002). All Rights Reserved. 要約 ほぼ無意味な電灯切替(Mostly Pointless Lamp Switching (MPLampS))は (MPLS コントロールプレーンを使った) IP 上で電気を運ぶためのアーキテ クチャである。われわれのマーケティング部門によれば、MPLampS は劇的 に低価格、配布や利用が容易で、電力配送の管理しやすさを向上する潜在 力があるという。本文書は、(著者には申し訳ないが) IP または MPLS 上 の SONET/SDH のような研究に動機づけられた。先の研究の読者は、途方に 暮れたり、「あきれた」とつぶやいたりしている様を観察されただろう。 本文書はその疑問に答える。 本文書は公共サービスとして記述された。"Sub-IP" エリアは、わかりにく い IETF 文書を書くために、伝統的 IP ネットワーキング以外の技術につ いての研究に対し等しく機会を与えるために形成されてきた。たぶん、こ の機会をどのように生かし高い視点に到達するかと考えている人が多いだ ろう。この目的にむけ、われわれは「なんとかオーバーMPLS」(またはラン ダム技術のためのMPLS制御)という話題を数えきれないほどの実装不能な文 書を作り出す余地があると見ている。本文書は、あらゆる「なんとかオー バーMPLS」の文書を作り出していき、そのような研究のためのテンプレー トとして使われるような鍵となる材料を提示する。 1. 本文書で使われるきまりごと 本文書中の「すべきだ」「すべきでない」「する」「しない」「必要とさ れる」「するだろう」「しないだろう」「すべきだ」「すべきでない」 「推奨される」「してもよい」「たぶん」「オプションの」というような キーワードは何も意味しない。 Rajagopalan Informational [Page 1] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 2. 本文書を読むための前準備 本文書を読みながら、様々な点において、読者は「これは意味があるのか」 「これは実現可能か」「著者は正気か」というような質問をしたい衝動に 駈られるかもしれない。読者はそのような疑問を抑え読み続ける能力を持 たねばならない。このほかには、いかなる特別な技術的バックグラウンド も本文書を読むのに必要としない。いくつかの場合(この文書を含む)に、 読者がなんの特別な技術的バックグラウンドを持っていないことが「必要 とされる」かもしれない。 3. 導入 電力のための分散ネットワークは IP ネットワークでないということに対 し、最近まで注意が向けられなかった! この知らせが届いた衝撃がやわら いだ後、われわれに以下のような考えが浮かんだ。 1. 電力の配送は時代遅れな技術(「ださださ配送システム(Legacy Distribution System)」と呼び、以下では LDS とする)を基盤としなけ ればならない。 2. インターネットの技術を基盤としていない LDS は2つの異なるネットワー ク(電気と IP)が運営・管理されなければならないということを意味す る。このことは非能率、高コスト、官僚的混乱(これはカルフォルニア の停電を引き起こしたかもしれない。われわれは学生の修士論文の一部 としてシミュレーションを使ってこのことを検証している最中だ。)を 招く。 3. 上で述べたことは単一ネットワーク技術(すなわち IP)が電力とインター ネットトラフィックの両方を伝達しなければならないということを意味 する。 4. インターネットドラフトは、ほかのなにかをする前にこの領域に関する 研究を始めるために書かれなければならない。 5. そのようなドラフトはさらに先のドラフトを生成するのに使われるかも しれず、われわれ(と CCAMP, MPLS またはその他の重要なワーキンググ ループ)は別の年の間忙しいだろうことは確かだ。 6. ドラフトはわが社のウェブページの「白書」に投稿もされるかもしれず、 われわれを革命的先駆者として宣言するかもしれない。 ゆえに本文書がある。 4. 用語 MPLampS: ほぼ無意味な電灯切替(Mostly Pointless Lamp Switching) - 本 文書で紹介するアーキテクチャ。 Lamp: MPLampS アーキテクチャの末端システム(末端システムという語は IETF の意向とかち合うが、もちろんそんなことは気に「しない」)。 LER: 低電圧電力受容器(Low-voltage Electricity Receptor) - Lamp のしゃ れた呼び方。 Rajagopalan Informational [Page 2] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 ES: 電力源(Electricity source) - 発電器 LSR: 負荷切替ルータ(Load-Switching Router) - コア電力配送ネットワー クで利用される MPLampS デバイス。 LDS: ださださ配送システム(Legacy Distribution System) - MPLampS が 更新しようとしているださい電力配送技術 RSVP: 失敗だけどルータベンダーが推しているもの(Rather Screwed-up, but router Vendors Push it) - IP を特徴づけるプロトコル。 RSVP-TE: 関税拡張付 RSVP(RSVP with Tariff Extensions) - MPLampS に RSVP を適合させたもので、規制が撤廃された新しい利用環境で使われる。 CRLDP: 大声で叫ぶために RSVP するな(for CRying out Loud, Don't do rsvP) - 別の IP を特徴づけるプロトコル。 OSPF: 多くのエリアの設定でしばしば止まるもの(Often Seizes-up in multiPle area conFigurations) - 階層的 IP 経路制御プロトコル。 ISIS: OSPF でないなんとか生き残るもの(It's not oSpf, yet It somehow Survives) - 別の経路制御プロトコル。 OSPF-TE, ISIS-TE: 関税拡張付の OSPF および ISIS(OSPF and ISIS with Tariff Extensions)。 COPS: 警官。公衆オープンポリシーサービスプロトコル(the Common Open Policy Service protocol)で滑る可能性を求めてあらゆる場所を探しまわ る人。 VPN: 電圧保護ネットワーク(Voltage Protected Network) - 多数のサイト で顧客が他の顧客からの干渉による電圧変動を無視できる程度にして電気 を受け取ることができるようにする。 SUB-IP: どこでも IP を代用するもの(SUBstitute IP everywhere) - IETF における伝統的 IP ネットワーキングの外にある技術的領域に首を突っ込 むための努力(例えば MPLampS)。 ITU: 国際関税公益協会(International Tariffed Utilities association) - その仕事が IETF によってしばしば無視されている公益貿易団体。 5. 背景 われわれは電力分配技術の領域へいくらかの背景を得るために入り込んだ。 われわれが見つけたものはわれわれを卒倒させた。そう。われわれがまだ 入っているのにバスタブに落ちてきた裸の交流 230 V のリード線の効能に よるものだ。簡単に言えば、電気は LDS(LSR またはその他のもの)の中に ただ1つのルータもない巨大な LDS により生成され配送される。さらに、 このネットワークの中の装置の制御はたいてい手動で、トラックで走り回っ ている人々により行なわれている。21 世紀においてこのようなネットワー Rajagopalan Informational [Page 3] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 クがどのようにして存在しているのだろうとしばし考え込んだ後、われわ れは、鉛筆と紙を取り出し、改良されたインターネット技術により LDS ネッ トワークを統合するシナリオを描き出した。われわれが提案する基本的視 点は以下のようなものである。 1. IP パケットが分割されデジタル化された形式の電気を運ぶ。 2. 各々のパケットは電気を要求に従い、宛先(例えば IP アドレスを持っ た装置)へ運ぶ。 3. MPLS 制御はコア LDS とエッジ前提の中でパケットを切り替えるのに使 われるだろう。 4. MPLampS アーキテキチャモデルは、(「ランプ」として参照される)電力 使用装置が別の制御面のうえで操作されるようなオーバーレイモデルと、 ランプと配送ネットワークが単一の制御面を使うピアモデルの両方を収 容するだろう。 5. RSVP-TE(関税拡張付 RSVP)は、規制の撤廃された環境で電気の流れる通 り道を確立するために使われる。 6. COPS は口座とポリシーをサポートするために使われるだろう。 これらのことを書き留めた後、ちょっと気分がよくなった。そして、われ われは提案されるスキームの以下のような当面の利点に気づいた。 1. LSD におけるスイッチと変圧器は LSR に置き換えることができ、それ により新しいルータの市場が開拓される。 2. 電気はインターネットにより、現在は電気は接続されていないがインター ネットキオスクだけはあるような離れた場所(例えばインドの田舎)に到 達するための経路制御ができる。 3. 電気技術者は高給のネットワーク管理者に置き換わるだろう。 4. IETF はその他の無関係な技術領域に関係を持つようになるだろう。 以下において、われわれは漠然と技術的な議論をする。 6. 電気の符号化 離散電圧符号化(Discrete Voltage Encoding (DVE))手法は ITU 規格 G.110/230V [2] で電圧をデジタル化するために規定された。要するに、電 力源(Electricity Source (ES))、例えば発電器は電圧と電流を符号化しビッ トストリームを生成する DV 符号化器に接続される。このビットストリー ムは IP パケットの中で要求に応じて様々な宛先(LER - 低電圧電力受容器 として参照される)に運ばれうる。宛先では、DV 復号器は正しい受け取っ たビットストリームに基づき、正しい電圧と電流を作り出す。リアルタイ ム転送プロトコル(Real-time Transport Protocol (RTP))が同期とエンド Rajagopalan Informational [Page 4] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 トゥエンド制御を確立するために使われうるかどうかは決定されるべきで ある。われわれは友人や同僚に RTP の領域についてドラフトを記述する機 会を残しておく。 7. MPLampS アーキテクチャ 7.1 概要 LDS では、電気の長距離輸送は高電圧で行なわれる。電圧は局地的配送ネッ トワークへと電気が流れていくにつれ段階的に下げられ、最終的に標準的 な電圧(例えば 110V)で LER に届けられる。それゆえ、LDS は階層的ネッ トワークである。これはすなわち、伝送ネットワークにおいて電気の経路 制御をするために OSPF や ISIS 拡張の可用性が開けているということだ が、われわれはのちのちまでこれらの生産性の高いインタネットドラフト の領域の探求の衝動を含むだろう。さしあたり、われわれは、MPLampS を 使った IP ベースの配送ネットワークにおける電気の流れの制御のみに議 論を制限する。 MPLampS において、電圧はラベルと同等とされる。配送ネットワークでは、 各々の切り替え器や変圧器が負荷切り替えルータ(LSR)として見做される。 電気の流れを運ぶ個々の IP パケットは電圧に対応するラベルを割り当て られる。電力配送は、ネットワーク配送を通じて電気の流れとしてのラベ ル(電圧)の切り替えの仕事を当たり前に減ずるだろう。配送ネットワーク における切り替え器の設定は、要求に応じて電気を供給するために RSVP-TE により行なわれる。 われわれは上記の議論が曖昧で狂気じみて聞こえるということを認めてい る。以下の例ではさらに(無用な)詳細を、この提案の可能性について読者 が抱いているかもしれない疑いをまったくなくさずに付け加えようと思う。 例:ランプをつけること ランプが賢い装置(例えば、MPLampS の制御面での(明かりの)スイッチ)に より制御されていると仮定する。ランプがオンになると、スイッチが電気 の流れに関する RSVP-TE 要求(新たなオブジェクトがともなった PATH メッ セージ)を発行する。この PATH メッセージはネットワークを通過して ES へ届く。応答の RESV メッセージは LSR にマッピングしたラベルを設定す る。最終的に、電気は確立された経路に沿って流れ始める。このプロセス の全体は数秒で完了することが期待され、この点において、MPLampS アー キテクチャは湿気たマッチでろうそくに火を付けるのに比して明瞭な利点 を与えている。 Rajagopalan Informational [Page 5] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 7.2 オーバーレイモデル対ピアモデル 前述の通り、考慮されるべき2つの制御面モデルがある。オーバーレイモデ ルでは、ランプと配送ネットワークはまったく別の制御面を利用する。ピ アモデルでは、ただ1つの制御面が使われる。一方のモデル対他方という形 で、いくつかの議論がなされ、きたるべき枠組みの文書の中で取り扱われ るだろう。われわれは LSR ベンダーのよりよい判断に抗してピアモデルを 選んだランプのベンダーであるということを観察するだけだ。それでも、 われわれは、どちらかのモデルの有用性を考慮しないことを喜びたい。そ れゆえわれわれはここで、MPLampS は両方のモデルをサポートし、オーバー レイからピアまでの移行のシナリオを記述する。 7.3 コアネットワークでの経路制御 上記の階層的配送システムの議論はすぐに適切な拡張を行なった OSPF と ISIS の可能性を広げている。読者は、われわれがすでに電圧バンドリング や多エリア関税拡張、孤立 LSA などのような概念について研究していると いうことを確信したままでいるかもしれない。将来の文書で詳細は記述さ れるだろう。 7.4 電圧保護ネットワーク (VPN) VPN は多数のサイトを持つ顧客が他の顧客からの干渉による電圧変動を無 視できる程度にして電力供給を受けられるようにする。実際、VPN を行な う可能性がなければ、完全な MPLampS アーキテクチャはゴミになるかもし れないと主張する人もあるかもしれない。VPN は今日の注目の話題で、読 者はわれわれにこのことに関するいくらかの文書を書いたすべての意図が あるということに気をつけている。特に、VPN のための BGP のサポートは われわれが現在興味を持って注目している分野だ。 8. マルチキャスト 電力需要には強い空間的時間的局在性がるということが見られる。ITU の 研究グループ 55 は 10 年以上にわたりこの現象を研究し、予備的報告を 刊行した。この報告は、ある家でランプがオンにされたとき、近所の家で も同時に(通常は夕方に)ランプをオンにする [3] ということを述べている。 この観察は注目すべき機構の拡張性において重大な含蓄がある。特に、配 送ネットワークは、一度に何万倍もの要求を取り扱うことができなければ ならない。マルチキャスト配送が使われれば、この顕著な負荷を減らすこ とができる。要するに、電気の要求はランプから ES へのあらゆる経路で 送られず、ほかのランプへの経路にすでにあるはじめの LSR で取り扱われ る。 Rajagopalan Informational [Page 6] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 これをサポートするために、予約形態を共有した RSVP-TE とともにマルチ キャスト経路制御プロトコルのアプリケーションと MPLampS マルチキャス ト転送モードの開発が必要である。われわれは現在、以下のようなマルチ キャスト経路制御プロトコルを研究している。 o DVMRP: 離散電圧マルチキャスト経路制御プロトコル - このプロトコル は既存の電圧経路制御プロトコル上で動作するが、どれか1つでもランプが オンにされるとすべてのランプに電気が配送されてしまう危険がある。実 に、スィッチングの意味論が悩ませるようになる - すべてのランプが周期 的にオンにされ、必要とされないそれらはたびたび手動でスイッチをオフ にしなければならない。 われわれがやがては考察するであろうほかのプロトコルは、電流ベースツ リー(Current-Based Tree (CBT))と実用上無意味なマルチキャスト (Practically Irrelevant Multicast (PIM))である。われわれが非常に興 味を持っている論点はマルチキャストのスコープである。われわれは様々 なスコープ(単一のクリスマスツリーのランプから街全体のそれまでの範囲) で電気の配送をサポートしたい。言うまでもなく、われわれは時が経つに つれこれらの話題に関する詳細な文書をたくさん書くことだろう。 9. セキュリティの考察 本文書はゴミといっしょに屑にされることから守るために鍵のかかるキャ ビネットの中で厳重に保管され「なければならない」。 10. まとめ 本文書はほぼ無意味な電灯切替(MPLampS)、すなわち IP による電力配送の ためのアーキテクチャの背後にある同期と高レベルな概念について述べた。 MPLampS は DVE(離散電圧符号化)と配送ネットワークにおける MPLS 制御 面を利用する。本文書の望むところは高い視認性の空間保持者であるべき なので、われわれは MPLampS の詳細の多くには踏み込んでいない。将来の たくさんの文書は、不幸にも、これらの詳細を提供しようとするだろう。 11. 参考文献 1. A. Malis, et al., "SONET/SDH Circuit Emulation Service Over MPLS (CEM) Encapsulation", Internet Draft, 作業中 2. International Tarriffed Utilities association draft standard, ITU G.110/230V, "Discrete Voltage Encoding", March, 1999. 3. International Tarriffed Utilities association technical report, ITU (SG-55) TR-432-2000, "Empirical Models for Energy Utilization", September, 2000. Rajagopalan Informational [Page 7] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 12. 放棄声明書 本文書中の意見は単に著者のものである。いつも通り、会社の意見は独占 的かつ機密であり、適切な NDA の下で入手されるかもしれない。 13. 著者の連絡先 Bala Rajagopalan Tellium, Inc. 2 Crescent Place Ocean Port, NJ 07757 Phone: 732-923-4237 EMail: braja@tellium.com Rajagopalan Informational [Page 8] RFC 3251 Electricity over IP 1 April 2002 14. 完全な著作権の表示 Copyright (C) The Internet Society (2002). All Rights Reserved. This document and translations of it may be copied and furnished to others, and derivative works that comment on or otherwise explain it or assist in its implementation may be prepared, copied, published and distributed, in whole or in part, without restriction of any kind, provided that the above copyright notice and this paragraph are included on all such copies and derivative works. However, this document itself may not be modified in any way, such as by removing the copyright notice or references to the Internet Society or other Internet organizations, except as needed for the purpose of developing Internet standards in which case the procedures for copyrights defined in the Internet Standards process must be followed, or as required to translate it into languages other than English. The limited permissions granted above are perpetual and will not be revoked by the Internet Society or its successors or assigns. 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